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住まいに満足していますか  

2018年3月24日「土曜日」更新の日記

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 あなたは今住んでいる自分の住まいをどう思っているだろうか。 十分に満足し、住み続けたいと考えている人も多いだろう。 今は借家住まいだが、いずれマンションか、できることなら一戸建ての建て売り住宅を買って移り住みたいと思っている人も大勢いるだろう。  持ち家、借家のどちらでもよいから、もっと広い家に移りたいが、公団住宅のはじめの家賃が10万円以上、マンションの値段もちょっと広いもので3500万円以上もするのでは、もうあきらめるほかない、と考えている人も少なくないだろう。  東京や京阪神に住む住民が望む平均的マイホーム像は「一戸建て、3LDK、通勤1時間以内」という世論調査がある(総理府、1987年)。どれだけの人がその夢を実現できるだろうか。  ある調査によると、借家に住んでいる人で、持ち家を取得する具体的な計画のある人は、わずか6.1パーセント。 この数字は全国対象で、東京圏では2.2パーセント、大阪圏では4.3パーセントとさらに少なくなる。 しかもこの数値は、全国だけでみても1969年=10.0、73年=8.9、78年=7.9パーセントと減り、1983年には6.1パーセントまで減っているのである。  また家を持つことをさしあたり考えていないと答えた世帯は、全国で58.1パーセント、東京圏で60.3パーセント、大阪圏で64.7ハーセントである。 東京や大阪などの大都市圏では、借家居住者の3分の2近い人たちが家を持つことを考えていない、とみてよいであろう。  大都市で家を持つことがだんだん困難になっていることについては、あとで詳しくみることにして、現在の日本人は自分の住まいにどの程度満足しているのだろうか。 また、どんな不満をもっているのだろうか。 ここでは特に大都市圏についてみることにしよう。  「ウサギ小屋」などと揶揄されている日本の住宅も、統計的には年々広くなっている。 住宅の数も世帯数を10.4パーセント上まわり、戸数は十分に足りている。 だから少なくとも住宅への不満は次第に減ってよいはずである。ところが、不満はむしろふえているのである。 住宅に「満足している」人は1973年には20.5パーセントを占めていたが、 1983年には9.1パーセントに減っている。 反対に「困っている」人は、同じ期問に35.1パーセントから46.1パーセントヘとふえている。  どんな家であろうと実際に住んでみるといろいろ不満が出てくるものだが、それにしてもこの数字の大きさはいったいどういうことか。 何が不満でこうなっているのだろうか。 いちばん不満が多いのは″音”である。 あなたが鉄筋コンクリートの公団・公営アパートやマンション、木造の民問アパートなどに住んだ経験があるなら、壁ごしに聞こえる隣家の物音や話し声、ときには夫婦の夜の対話に悩まされたこともおありだろう。 また、自分の子どもの泣き声や走りまわる音で下の階や隣近所から文句がこないかとハラハラしどおしで、親子ともに神経症になったことがあるかもしれない。  共同住宅での便所・風呂・流しなどの音も大きな問題である。 半数以上の人がこの音の問題で悩まされていることは、建物の質がさほどよくならないままにマンションなどがふえていることと大いに関係している。  広さへの不満が比較的少ないのは、はじめから覚悟して住んでいることからきたものであろう。 それに対し、音や収納スペース、設備、間取り、プライバシーなどは、実際に住んでみて初めて気のつくことである。  日本人の住宅の選び方、あるいは住宅のつくり方の問題点が、ここによく表われているといってよい。

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