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死亡前での贈与(1)

2020年7月29日「水曜日」更新の日記

2020-07-29の日記のIMAGE
死期を悟った被相続人が、相続人に財産を贈与する事案は多く、税務調査においても、調査官は被相続人の死亡原因やそれまでの闘病の様子をヒアリングしながら、生前贈与の可能性を確認します。ここでは、税務調査で生前贈与を指摘された事例をお伝えします。被相続人は夫、相続人は妻と子ども2名の計3名。被相続人は、建設土木業を営む法人の代表取締役社長であり、妻も子ども2名も同社に勤務しています。相続開始1年前ごろより体調を崩し入退院を繰り返していた被相続人は、退院した都度、通帳より預金を引き出したり、所有している有価証券を売却し現金化していました。相続税申告の依頼を受けた税理士が相続税申告に不慣れであったことから、この生前贈与の存在を解明しないまま申告書を作成提出してしまいました。当然、税務調査となり、その調査から当事務所が税務代理を受託しました。生前贈与の内容を確認してみると、相続発生直前に、約4,000万円の預金引出等があり、そのゆくえが不明となっていました。相続人である妻に話を聞いてみると、「確かに退院してくる都度、夫は銀行に行っていたが何をしていたかわからない」との証言でした。税務調査になると、被相続人だけでなく相続人全員の預金通帳の動きを調査官は職権確認することができます。通常は相続開始前10年間の通帳の動きを確認し、被相続人からの大きな金額の出金入金(おおむね50万円以上)はそのお金の流れを確認し、贈与の申告漏れや「名義預金の有無」を確認します。

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